森林のなかでは木どうしが『おしゃべり』をしている!?
フィトンチッドに摂食阻害作用があることはすでに説明しました。
木は毛虫などに襲われると、毛虫が嫌がる成分を葉に蓄えて食べられないようにするのですが、そればかりではありません。隣の木にこのことを教えるのです。
まるで被害届けを出したり警戒警報を鳴らすようなものですね。すると隣の木もちゃんと葉を毛虫の嫌がる成分に変質させるから不思議です。
このように、木どうしは警告物質を発散することによって『おしゃべり』をしているわけです。森林へ行って耳を澄ませば聞こえるでしょうか?
こうしたコミュニケーションは広い意味で『アレロパシー(他感作用)』と呼ばれています。そして『ケミカルコミュニケーション物質』とも言われる交流手段がフィトンチッドなのです。 フィトンチッドは、まるでわたしたちが使う電話や手紙のようですね。 |