*〔蟇股 かえるまた⇒二つの横材の間におく束つかの一種で、上方の荷重をささえるとともに装飾ともなるカエルが脚を広げた姿に似ているところからこの名がある厚板の左右に曲線の繰形を施した板蟇股は奈良時代からあるが,内部をくりぬいた形の本蟇股は平安末期に始まり、のち彫刻装飾が加わるようになり、桃山時代以降その装飾性はますます重視された蟇股の曲線と彫刻は建築年代判定の基準の一つ〕 **〔水煙 すいえん⇒塔の九輪の上につける飾り実際は火炎をかたどったものだが、火を避けるという意味で工匠がこう呼んだものといわれる天人の舞い降りる姿を表した〕 |
像は檜の一木彫、正面裙《くん》(もすそ)のひだは整えられた飜波式《ほんぱ》の衣文《えもん》に作られている。818年(弘仁九)炎上後の復興のおりに、造立されたものと考えられる。光背、各手の持物は後世の補作。 |